Excel AIで集計する方法|関数なしで数字がまとまる7手順
「担当者ごとの合計を出したいだけなのに、関数を調べるところで止まってしまう」
「AIが出した数字を、そのまま報告に使ってよいのか分からない」
表計算の集計は、覚えることが多いわりに使う機会が月に数回しかありません。そのたびに調べ直しになり、毎回30分が消えていく——という方は少なくないはずです。
結論からお伝えすると、関数を覚え直す必要はありません。表と「何が知りたいか」を渡せば、数字は出てきます。
この記事では、関数もマクロも使わずに、手元のExcel・スプレッドシートの表をAIに渡して項目ごとの合計や件数を出す7手順を解説します。渡し方の比較・そのまま使える指示文・出た数字の検算方法まで、この1本で完結する形でまとめました。
Excel AIとは?関数なしで集計できる仕組みとできること3つ

Excel AIとは、表計算ソフトの中でAIを使う方法と、表そのものをAIに渡して処理してもらう方法の総称です。
これまでの表計算は「人が関数を書いて、ソフトに計算させる」ものでした。Excel AIでは、ここが「人が知りたいことを日本語で伝えて、AIが計算して返す」に置き換わります。
Excel AIでできること3つ|集計・分類・要約
実務で使える範囲は、大きく次の3つに整理できます。
- ①項目ごとの集計:担当者別・月別・カテゴリ別の合計金額や件数を出す
- ②自由記述の分類:アンケートの感想欄や問い合わせ内容を、種類ごとに仕分ける
- ③長い表の要約:数百行の表を読ませて、傾向を数行にまとめてもらう
このうち、いちばん頻度が高く、いちばん時間を食っているのが①の集計です。この記事も集計を中心に扱います。
なお、AIに渡せる材料は表だけではありません。文章や音声も同じように渡せます。集計以外の使い道はChatGPTで業務効率化する方法で解説しています。
関数・マクロを覚える方法との違い【使う頻度で決まる】
「そもそも関数を覚えたほうが早いのでは」という疑問には、使う頻度で答えが変わりますと直答します。
毎日同じ集計を回すなら、関数やピボットテーブルを組んだほうが確実です。一度作れば更新するだけで済みます。
一方、月に数回しか使わない集計のために関数を覚え直すのは割に合いません。次に使うころには手順を忘れていて、また調べ直しになるからです。この頻度なら、覚えるのは関数名ではなく頼み方で十分です。
AIに任せない部分|最後に数字を確認するのは人
先に線引きをはっきりさせておきます。計算はAI、確認と判断は人です。
AIは表の読み違いをします。空欄の扱い、表記のゆれ、単位の混在——このあたりで数字がずれます。
だからこそ、後半で解説する検算の工程を7手順に組み込んであります。ここを飛ばさなければ、報告に使える精度になります。
ChatGPTにExcel・スプレッドシートを読み込ませる4つの方法|どれを選ぶか比較

表をAIに渡す方法は、大きく4つあります。順に見ていきます。
1. セル範囲をコピーして貼り付ける【いちばん速い】
表の範囲をドラッグしてコピーし、チャット欄にそのまま貼り付けるだけです。準備するものはありません。
数十行〜数百行の表なら、これで足ります。Googleスプレッドシートでも手順は同じで、範囲を選んで貼り付ければ列の区切りは保たれます。
2. ファイルを添付して読み込ませる【数千行の表向き】
行数が多い表は、ファイルごと渡したほうが確実です。
チャット欄のクリップアイコンから、xlsxファイルまたはCSVファイルを添付します。
読み込めないときは、CSV(UTF-8)で保存し直すと通ることが多いです。結合セルと空行は、添付する前に外しておきます。
3. 拡張機能を入れてExcelのシート上から使う
ChatGPT for Excelのような拡張機能を入れると、シートを離れずに指示を出せます。チャット画面とExcelを行き来しなくて済むため、毎日集計する人には向いています。
ただし導入の手間と費用が増えます。月に数回の集計のために入れるものではありません。
4. Excel・スプレッドシート内蔵のAI関数をセルに書く
セルに自然文で指示を書き、その場で結果を返させる方式です。表を更新すると結果も追従するため、定型の集計と相性がよい書き方です。
その反面、使える環境が限られます。対応状況と費用はこの記事の費用の章でまとめて扱います。
4つの方法をどう選ぶか【比較表】
| 方法 | 準備するもの | 向いている表 | 費用感 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 1. コピペ | なし | 数十〜数百行 | 無料枠で可 | 月に数回集計する人 |
| 2. ファイル添付 | xlsx/CSV | 数百〜数千行 | 無料枠で可・大きい表は有料が安定 | 大きい表を扱う人 |
| 3. 拡張機能 | アドインの導入 | シート常用 | ツールごとに有料 | 毎日シート上で作業する人 |
| 4. AI関数 | 対応した環境 | 更新が続く表 | 対応プランが必要 | 定型集計を回し続ける人 |
選び方の結論はシンプルです。月に数回の集計なら、まず1か2で足ります。毎日回すようになってから3か4を検討すれば十分です。
Excel AIで集計する方法【関数なしの7手順】

ここからが本題です。手元の表から集計結果を出すまでを、7つに分けて解説します。
1. 集計したい数字を1か所に集める
集計が面倒な本当の理由は、計算ではありません。数字が何か所にも散らばっていることです。
売上はレジ、予約は予約サイト、問い合わせはメール——この状態だと、集計の前に転記作業が発生します。まずは1枚の表に寄せてください。7手順の中で、ここが一番効きます。
【弊社の例】数字を集める作業をなくしてから集計する
弊社では、弊社で作ったツールでSNSのAPIに接続し、投稿ごとの表示回数や反応のデータを自動で取得・蓄積しています。
毎回スクリーンショットを撮って集計する作業が不要になり、「数字を集める作業」がゼロになりました。集まったデータの週次分析も、そのままAIに任せています。
弊社が運営しているサロンでも同じ考え方を使っています。予約サイトから届く予約メールを取り込んで、来店予定の一覧ができるようにしました。
予約表を目で追って転記する作業がなくなり、今月あと何人来る予定なのかがそのまま見える状態になっています。
2. 表を整える【1行目を見出し行に・結合セルを外す】
AIが読み違える原因の大半は、表の作りにあります。渡す前に次の4点だけ直してください。
- 1行目を見出し行にする(日付・担当者・商品名・金額など列名を並べる)
- 結合セルを解除する(見た目のための結合が、行のずれを生む)
- 空行と小計行を消す(小計が入っていると二重に足される)
- 単位は列名に入れる(「金額(円)」のようにして、セル内に単位を書かない)
3. 渡し方を決める【コピペか、ファイル添付か】
先ほどの比較表に戻って、表の行数で選びます。
迷ったら、数百行までならコピペ、それ以上ならファイル添付で問題ありません。
4.「何が知りたいか」を日本語で1行にする
集計の出来は、関数ではなく問いで決まります。「売上を分析したい」では、AIも何を返せばよいか分かりません。
「担当者ごとの売上合計が知りたい」まで言語化できれば、指示文はほぼ決まります。ここに一番時間を使ってください。
5. 項目ごとの集計を頼む【指示文の4要素】
指示文には、次の4つを入れます。
- どの列を使うか(担当者、金額)
- どう区切って集計するか(担当者ごと、月ごと)
- 何を出してほしいか(合計、件数、割合)
- どの形式で返すか(表で、多い順に)
この4つが入っていれば、言い回しは自由で構いません。具体的な文例は次の章で5つ紹介します。
6. 出た数字を検算する【ここを飛ばさない】
返ってきた表をそのまま使ってはいけません。総合計を1か所だけ手で足して、突き合わせます。
詳しい確認方法は後の章でまとめます。ここでは「必ずやる工程」として手順に入れておいてください。
7. 結果を表に貼り戻して次の判断に使う
検算が通ったら、返ってきた表をコピーしてシートに貼り戻します。
数字を出すことがゴールではありません。次に何をするかを決めるまでが集計です。
ここまでの7手順で、1回分の集計は関数なしで終わります。ただし、終わるのはあくまで「1回分」です。
数字が何か所にも散らばったままだと、集計のたびに集める作業がまるごと残ります。先に数字を1か所へ寄せておけば、毎回残るのは頼み方だけになります。
そこで次は、その頼み方をそのまま使える形で見ていきます。
Excelで項目ごとに集計する頼み方【そのまま使える指示文5つ】

実務でいちばん多い5つの型を、コピーしてそのまま使える日本語で並べます。表を貼るか添付したうえで、続けて指示文を送ってください。
1. 担当者ごとの合計金額と件数を出す
この表を使って、担当者ごとの売上金額の合計と件数を集計し、合計が多い順に表で出してください。
返ってくるのは、次のような形の表です。
| 担当者 | 合計金額(円) | 件数 |
|---|---|---|
| A | 1,240,000 | 18 |
| B | 980,000 | 21 |
| C | 610,000 | 9 |
合計だけでなく件数も同時に頼むのがコツです。「平均単価も出してください」と足せば、1回のやり取りで単価まで分かります。
2. 月ごとの推移を出す
日付列から年月を切り出して、月ごとの売上合計を古い順に表で出してください。
日付の書式がバラバラでも、「2026/1/5も2026年1月5日も同じ日付として扱ってください」と読み方を指定すれば揃います。
3. 商品カテゴリごとの構成比を出す
商品カテゴリごとの売上合計と、全体に占める割合をパーセントで出し、多い順に並べてください。
割合まで一度に頼むのがポイントです。金額の順位と構成比が同じ表に並ぶと、次に何を伸ばすかの判断が早くなります。
4. 条件をつけて絞り込んで集計する
2026年7月のデータだけを対象に、店舗ごとの売上合計と件数を出してください。
条件は1文足すだけです。「今月だけ」「特定の店舗だけ」「1万円以上の取引だけ」——SUMIFSを覚えなくても、同じ結果になります。
5. 縦と横を掛け合わせてクロス集計する
縦を担当者、横を月にして、売上合計のクロス集計表を作ってください。空欄は0と表示してください。
これがピボットテーブルの代わりになる型です。縦と横に何を置くかさえ決められれば、操作を覚える必要はありません。
5つを丸暗記する必要はありません。どの列を・どう区切って・何を出して・どの形式で返すか——この4要素さえ守れば、自分の表に合わせて応用できます。
Excel AIが出した数字は正しい?3つの検算方法と毎週の読み方

ここが記事の中でいちばん大事な章です。AIが出した数字は、検算して初めて報告に使えます。
1. 合計を1か所だけ手で足して突き合わせる
全部を確認する必要はありません。総合計か、いちばん大きい項目1つだけを元の表で確かめれば、読み違いはほぼ見つかります。
元の表でその列を選択し、画面下に出る合計と見比べるだけで済みます。
2. 件数(行数)が元の表と一致しているか見る
合計が合っていても、行が抜けている場合があります。
だからこそ、集計を頼むときに合計と件数の両方を出させておきます。件数の総和が元の表の行数と一致していれば、拾い漏れはありません。
3. 空欄・表記ゆれ・単位をどう扱ったか言わせる
集計にあたって除外した行や、判断に迷った箇所があれば教えてください。
この一言を足すだけで、AI側の前提が言語化されます。前提が出てくれば、間違いの場所は自分で特定できます。
「空欄は0として扱いました」と返ってきたら、それでよいかを人が決めれば済む話です。
間違いが起きやすい3つの場面【結合セル・数千行超・表記ゆれ】
- 結合セルのある表:行のずれが起きる → 渡す前に結合を解除する
- 数万行を一度に渡した表:途中で処理が止まる → 使わない列を減らすか、期間で分けて渡す
- 同じ意味で表記が違う項目:「山田」と「山田太郎」が別人扱いになる → 表記を揃えてから渡す
この3つを避けるだけで、集計のずれはほとんど起きなくなります。
【弊社の例】集計した数字を毎週まとめて読む
弊社では、SNSのアナリティクスデータ(インプレッション・エンゲージメント)と、エルメの流入経路別のLINE登録数を毎週突き合わせています。
それをClaudeに渡して、分析レポートを作る運用です。「どの投稿が伸びて、実際に集客に繋がったか」が初めて分かる仕組みになっています。
エルメでの実際の運用では300以上の流入経路を管理し、各投稿・記事からの登録を週次で確認しています。週次でまとめる具体的な進め方はSNSの週次レポートの作り方で解説しています。
1回の集計であれば、ここまでの検算で十分に信用できる数字になります。
ただし毎週となると話が変わります。数字を出すこと自体が面倒になり、やがて誰も見なくなる——これが実際にいちばん多い止まり方です。
対策は、毎週決まった曜日に、決まった形で読む運用に落とすこと。集計を「作業」ではなく「予定」にしてしまうのが一番続きます。
Excel AIの費用は?無料でできる範囲と有料プランの違い【2026年最新】

費用の話に直答します。この記事で紹介した集計は、無料の範囲で一通り試せます。
無料でできる範囲【集計は無料枠で一通りできる】
- 表をコピーして貼り付けての集計
- xlsx・CSVファイルを添付しての集計
- クロス集計・構成比・条件つき絞り込み
まず無料で自分の表を1回通してみて、続けられそうなら有料を検討する。この順番で問題ありません。
有料プランで増えること【ファイル数・サイズ・安定性】
有料プランで変わるのは、主に次の3点です。
- 一度に添付できるファイル数とサイズの上限
- 大きい表を扱うときの処理の安定性
- 混み合う時間帯の利用回数の余裕
具体的な上限値はプラン改定で変わります。最新の料金と上限は、各公式サイトで確認してください。
Excel内蔵のAI関数と拡張機能の費用・対応環境
セルに直接書くAI関数は、2026年8月時点では先行提供の段階です。ExcelのCOPILOT関数はMicrosoft 365 Insider向けに順次公開されている状況で、対応する環境やプランも限られます。
全ユーザー向けの提供時期は変わる可能性があるため、導入を検討する場合は公式の提供状況を必ず確認してください。
拡張機能(アドイン)は提供元ごとに料金体系が異なります。こちらも各提供元の公式サイトで最新の条件を確認するのが確実です。
どれから始めるか【月に数回なら無料の範囲で足りる】
- 月に数回の集計:無料の範囲で足ります。コピペか添付で十分
- 週に数回の集計:有料プランを検討。大きい表の安定性が効いてきます
- 毎日・大量に回す:拡張機能やAI関数を検討する段階
Excel AIと集計のよくある質問6つ

Q1. ChatGPTにExcelファイルを読み込ませる手順は?
チャット欄のクリップアイコンから、xlsxまたはCSVを選んで添付します。
読み込めないときは、CSV(UTF-8)で保存し直すと通ることが多いです。それでも通らない場合は、結合セルと画像・グラフを削ってから保存してください。
Q2. 何行くらいまでの表を渡せますか?
数千行までは比較的安定して読み込めます。数万行になると、途中で止まりやすくなります。
対処は2つだけです。集計に使わない列を消す、期間で分けて渡す。これで大半は解決します。
Q3. Googleスプレッドシートでも同じ手順が使えますか?
使えます。範囲をコピーして貼り付ける手順はExcelとまったく同じです。行数が多い場合は、CSVで書き出してから添付してください。
Q4. 社内の売上データを渡しても大丈夫ですか?
顧客名・電話番号・メールアドレスの列は、消してから渡してください。集計に必要なのは金額と分類の列だけで、個人が特定できる情報は不要です。
あわせて、入力内容の学習利用に関する設定を確認しておきます。社内にデータの取り扱いルールがある場合は、そちらが優先です。
Q5. 表以外の材料もAIに渡せますか?
渡せます。打ち合わせの録音や議事録も、表と同じように材料として扱えます。
詳しい進め方はAIで議事録を作る方法で解説しています。
Q6. 集計以外の仕事もAIに任せていくには?
一度に増やさず、任せる仕事を1つずつ増やしていくのが確実です。
最初の1つに集計を選ぶのは良い選択です。結果が数字で確かめられるため、任せてよいかの判断がつきやすいからです。進め方の全体像はAI社員の育て方のステップにまとめています。
まとめ|Excel AIの集計は「渡し方」と「検算」で決まる

最後に7手順を振り返ります。
- 1. 集計したい数字を1か所に集める
- 2. 表を整える(見出し行・結合セル解除・空行削除)
- 3. 渡し方を決める(コピペか、ファイル添付か)
- 4.「何が知りたいか」を日本語で1行にする
- 5. 指示文の4要素を入れて集計を頼む
- 6. 合計と件数を手で突き合わせて検算する
- 7. 結果を表に貼り戻して、次の判断に使う
集計の出来を決めるのは、関数の知識ではありません。表の渡し方と、出た数字を確認する工程です。
ここまで来ると、次に効いてくるのは「そもそも数字がどこに溜まっているか」です。店舗や中小企業がいちばん数字を溜めているのは、LINE公式アカウント側であることが少なくありません。
ただしLINE公式アカウント標準の「友だち追加経路」は、経路・流入元・キャンペーンのパラメータ付きでQRコードやURLを複数発行でき、経路別の人数も確認できる一方で、集計は経路単位の合計人数のみで誰がどの経路から来たかは分かりません。プライバシー保護のため同じ期間内の追加・ブロックが20件未満の経路は数値が表示されず、経路情報から友だち1人ひとりに自動でタグを付けて以降の配信の条件にする仕組みも、LINE公式アカウント標準にはありません。
エルメであれば、QRコードアクション機能で友だち1人ひとりに経路タグが自動で付き、追加直後に経路別のあいさつ文やアクションを出し分けられます。そのタグは人数のしきい値なく、何度でも配信条件として使い回せます。
さらにエルメはCSVの一括エクスポート・インポートと、属性×行動のクロス分析に対応しています。LINE側に溜まった数字を、そのまま表として取り出してAIに渡せるということです。
LINE公式アカウント(エルメ)の構築をアドバイザーと一緒に進めたい方へ
弊社はL Message(エルメ)認定代理店として、250件以上のLINE公式アカウント構築に携わってきました。「自社に合う設計で、構築まで任せたい」という方向けに、構築代行の無料相談を受け付けています。サイトのLINEボタンからお気軽にご相談ください。
※無料相談は、構築のご依頼をご検討中の方向けです。ツールの使い方サポートや戦略のみのご相談は、顧問サービス(有料)にて承っております。
LINE構築/運用代行に関するご相談など以下から可能です
メールでのお問い合わせ希望の方は以下からお願いします
※営業メール・相互リンクなどLINE構築代行に関係のないお問い合わせはご遠慮ください