「ルールを決めたのに、入力されていない」

「言い方を変えても、翌週には元どおりになる」

店舗を持っていると、必ず一度は通る道だと思います。

僕はLINE構築の会社をやりながら、美容サロンを1店舗運営しています。

そのサロンでも、まったく同じことが起きていました。売上管理表への入力が、3日以上止まっていた日があります。

結論から書きます。原因はやる気ではありませんでした。

現場を見に行って時間を測ったら、同じ入力に1分の人と20分の人がいました。

この記事では、そこからAI社員に何を任せ、何をスタッフに残したのかを、動いている画面のまま全部お見せします。

読んだあとに「うちの店ならどこを任せられるか」まで判断できるよう、選び方の軸も最後に置きました。

Contents
  1. AI社員に事務作業を任せる前|売上管理表への入力が3日以上止まっていた
  2. 原因はやる気ではなかった|同じ入力に1分の人と20分の人がいた
  3. 実際に任せた仕事|AI社員の1日を、画面のまま全部お見せします
  4. 任せたあとに変わった3つ|重複予約・カウンセリング記録・埋まらない予約枠
  5. スタッフが入力するのは、メニューと金額、次回予約が取れたかの2つだけ
  6. 自分の店でAI社員に任せる仕事の選び方【3つの見分け方】
  7. よくある質問|AI社員と店舗の事務作業
  8. まとめ|文章で読むより、動いているところを見るほうが早い

AI社員に事務作業を任せる前|売上管理表への入力が3日以上止まっていた

僕のサロンでは、売上と顧客をLark(ラーク)の管理表で管理しています。

サロンの管理表。ここを埋めていくことで店舗が回る

入れてもらう項目は、こうなっています。

  • 来店日とお客様のお名前
  • 担当したスタッフ名
  • 新規のお客様か、既存のお客様か
  • 口コミを書いていただけたかどうか
  • メニューと金額
  • カウンセリングのメモ(どんな方で、何を話し、何をご案内したか)

あわせて、毎朝その日の予約を管理表に入れておくこともルールにしていました。予約が重なっていないかを朝のうちに確かめるためです。

ルールは守られませんでした。

3日以上、管理表がまったく埋まっていない日がありました。

店舗なので、来店と来店のあいだに空き時間は出ます。「その時間にやっておいてください」と伝えても、入力しないまま帰ってしまう。

ここで「なんでやらないの」と問い詰めることはできます。ただ、それでは解決しません。

原因が分からないまま強く言っても、翌日また同じことが起きるだけだからです。

だから、まず原因を調べにいきました。

原因はやる気ではなかった|同じ入力に1分の人と20分の人がいた

店舗に行く用事があったので、入力しているところを実際に見せてもらいました。

原因はパソコンの入力が極端に苦手だったことです。特に、文字を打つのが遅い。

考えてみれば当然でした。

スタッフは施術の技術には興味があるので、いくらでも一生懸命になれます。お客様にも真摯に向き合います。

しかしパソコンは違います。苦手なうえに、そもそも興味が湧かない。

これは美容サロンに限った話ではないはずです。現場では誰よりも動けるのに、事務作業になった途端に止まる人は、どの業種にもいます。

そして、時間を測って愕然としました。

同じ入力作業 かかる時間
僕が入力した場合 1分かかりません
スタッフが入力した場合 10分、20分

2倍3倍ではありません。10倍、20倍です。

「1時間空いているんだからできるよね」は、1分で終わる側の基準の話でした。

10分20分かかる人にとって、その1時間は苦痛です。相手の立場をまったく考えていませんでした。

音声入力を教えても、根本は変わらなかった

その場では、音声入力のやり方を教えました。少しはやってくれるようになりました。

ただし、これは根本の解決ではありません。

速くしただけで、入力がスタッフの負担であることは何も変わっていないからです。

やり方を教える、声かけを変える、締め切りを決める。どれをやっても、苦手な作業が本人の手元に残っている限り、また止まります。

ここが分かれ目でした。速くしてもらうのをやめて、入力そのものを引き受けてもらう。

実際に任せた仕事|AI社員の1日を、画面のまま全部お見せします

ここからは、実際に動いている画面をそのままお見せします。

画面に出ているお名前はサンプル、音声も検証用のデータです。

担当しているのは、AI社員の「中村さん」です。やり取りはすべてChatwork(チャットワーク)で行っています。

いま中村さんが担当しているのは、この3つです。

  • その日の予約を売上管理表に入力して、朝に報告する(これがメイン)
  • チャットで頼んだ分を、その場で入力・修正してくれる
  • 施術後の音声を文字にして、カウンセリング記録として残す

1. 朝9時:その日の予約が、もう管理表に入っている

毎朝9時に届く報告。その日の予約と、まだ足りない入力が書いてある

朝9時になると、Chatworkにメッセージが届きます。

このとき報告だけをしているのではありません。その日の予約を管理表に入れ終えたうえで、報告してきます。

こちらから「入力しておいて」とは言っていません。決まった時間になると、自分で予約を確認して、自分で判断して書いています。

スタッフがやるのは、その画面と予約を照らし合わせて確かめることだけです。

2. 日中:チャットで頼むと、その場で入力してくれる

チャットで追加を頼むと、その場で管理表に入力して返してくる

当日に予約が増えることは、店舗では普通に起こります。

そんなときは、Chatworkで「12時に追加が入ったので、追加してください」と送るだけです。

その場でお客様の名前と時間を管理表に入力して、「入れました」と返してきます。

僕もスタッフも、Larkを開く必要がありません。

3. 施術後:音声を送ると、カウンセリングの内容が記録に残る

ここが、いちばん現場が楽になったところです。

施術中に話した内容を録音して、Chatworkに送ります。あとは文字起こしも記入も、こちらでは何もしません。

管理表のカウンセリング欄に、文字起こしの内容が入る

赤枠が、文字起こしされたカウンセリングの内容です。音声そのものもLarkの管理表に残ります。

管理表の音声列に、音声ファイルが入っている

この形にした理由は、はっきりしています。

パソコンは苦手でも、スマホのChatworkに音声を送ることはできるからです。

苦手なことを練習してもらうのではなく、できることだけが残るように頼み方を変えました。

4. 夕方:締めの連絡が届き、足りないものが名前つきで並ぶ

夕方に届く締めの連絡。音声が来ていない方が名前つきで並ぶ

夕方になると、その日の締めの連絡が届きます。

音声がまだ届いていない方の名前が並びます。

「今日の分やった?」と人が聞いて回る必要がなくなりました。

任せたあとに変わった3つ|重複予約・カウンセリング記録・埋まらない予約枠

入力を任せたあと、想定していなかった効果が3つ出ました。

1. 予約の重複を、朝のうちに見つける

僕のサロンは、Googleカレンダー・LINE・サロンボードと、予約の入口が分かれています。

この3つを照らし合わせて、重複があればChatworkで「ここが重なっています」と知らせてきます。

ただし、最終チェックは必ず人が行います。ここは任せていません。

2. カウンセリングの内容が、次回に引き継げる形で残る

以前も記録はしていました。ただ、残っていたのは一言二言です。

「乾燥肌」「ご結婚された」といった断片で、次に来られたときに話をつなげるには足りません。

いまは音声とテキストの両方が残るので、担当が変わっても引き継げます。

顧客管理のソフトを入れ替えなくても、Larkの管理表のままで記録が埋まる状態は作れます。逆に、どんなソフトを入れても入力されなければ同じです。

3. 予約の間に空いた1時間を、埋めにいける

9時オープンなのに、その日の最初の予約が10時。この1時間は、もう売れません。

店舗の仕事は、時間の枠を売る仕事です。空いた枠は在庫として残りません。

いまは1か月先の予約まで見て、枠が空きそうなら早めに知らせてきます。「この予約、ずらせないですか」という形です。

人がやるなら、1か月分のカレンダーを毎日見比べる仕事になります。誰もやらないまま放っておかれる種類の作業でした。

スタッフが入力するのは、メニューと金額、次回予約が取れたかの2つだけ

正直に書きます。入力はゼロになっていません。

残しているのは、この2つです。

  • メニューと金額の入力
  • 次回予約が取れたかどうか

厳密に言えば、この2つも頼めば任せられます。それでも、あえてスタッフに残しています。

そして、ここが今回いちばんお伝えしたい事実です。

全部お願いしていたときは、入力がゼロでした。2つに絞ったら、やってくれています。

やる気の問題ではなかった、ということです。同じ人が、同じ店で、同じ日にやっている作業です。

変えたのは任せる量と頼み方だけでした。

頼んで返ってくるAIと、自分から動くAIの違い

いまAIを使っている方の多くは、こういう使い方をしているはずです。

  • 「ブログ記事を書いて」と頼む
  • 出てきた文章をコピーする
  • 自分でサイトに貼りにいく

こちらが動かなければ、何も起きません。便利ではありますが、人の仕事は減っていません。

頼んで返ってくるAI 自分から動くAI社員
きっかけ 人が話しかけたとき 決めた時間になったとき
やること 聞かれたことに答える 予約を見に行き、入力し、報告する
人の仕事 指示・コピー・貼り付け 出てきたものを確認して決める

この形は、メディアの運用にも使っています。毎朝、記事の下書きができあがっています。

人がやるのは、中身を読んで承認するかどうかを決めることだけです。

そして、効いたのはAIそのものではありません。どこまで任せて、どこを残すかの線引きです。

この線引きは、店の事情を知らないと引けません。実際、ここを決めきれずに止まる店舗が、いちばん多いです。

この線引きをどう決めたのかは、無料のオンラインセミナーで画面を出しながらお話ししています(案内は記事の最後に置いています)。

自分の店でAI社員に任せる仕事の選び方【3つの見分け方】

ここまでは僕の店1つの話です。自分の店では何から任せるのかに置き換えられるよう、見分け方を出します。

見分け方 見るポイント 店舗での例
1. くり返しているか 毎日・毎週かならず発生するか 予約の転記、売上の記録、カウンセリングの記録
2. 手順を言葉で説明できるか 人に教えるときの言い方がそのままあるか 「その日の予約を、朝のうちに表へ入れる」
3. 間違えても取り返しがつくか 誤りに気づいたその場で直せるか 管理表の記入(お客様に直接届かない)

逆に、最初は任せないほうがよい仕事もあります。

  • 金額や契約の最終判断
  • お客様への謝罪やお詫びの連絡
  • 前例のない例外対応
  • スタッフの評価に関わる判断

この3つで選んだうえで、最初にやることは、どのAIを使うかではありません。

その作業を自分で1回やって、時間を測ってください。

僕が動けたのは、1分と20分という差が見えたからです。数字が出るまで、原因はやる気の問題に見えていました。

ここまでが、いま公開できることの全部です。

そのうえで、ひとつだけ正直にお伝えします。軸が分かっても、最初の1つを選んで実際に動かすところで止まります。

どこまで任せてどこを残すか、いつチャットで知らせてもらうか、人が確認する場所をどこに置くか。この設計が本体で、AIを選ぶのはそのあとです。僕も、ここに一番時間がかかりました。

よくある質問|AI社員と店舗の事務作業

パソコンが苦手なスタッフでも使えますか?

使えます。僕のサロンがまさにその状態でした。

ポイントは、スタッフ側の操作をスマホのChatworkだけに寄せることです。音声を送る、ひと言頼む。この2つなら、パソコンが苦手でも止まりません。

人手不足のとき、人を採るのと作業を減らすのはどちらが先ですか?

先に測ることをおすすめします。

いまスタッフの時間が何に使われているかを見ないまま人を増やすと、同じ苦手な作業を、もう一人分抱えることになります。

僕のサロンは、人を増やさずに入力が回るようになりました。増やすかどうかは、そのあとで判断できます。

お客様の情報をAIに扱わせて大丈夫ですか?

任せる範囲を先に決めることが前提です。

僕のサロンでは、記録として残す情報と、人が最終確認する箇所を決めています。予約の重複チェックも、最後は必ず人が見ます。

お客様に直接届くもの(謝罪・金額の連絡)は任せていません。

スタッフの仕事を奪うことになりませんか?

減ったのは入力です。施術とカウンセリングは、そのまま残っています。

むしろ、苦手な作業に取られていた時間が戻ります。

僕のサロンでは、記録が残るようになったことで次回の来店時に前回の話をつなげられるようになりました。接客に返ってきた形です。

特別な開発が必要ですか?

この記事でお見せしたのは、ChatworkとLarkという、どちらも一般に使えるツールの組み合わせです。

新しいシステムを入れたわけではありません。決めたのは、任せる仕事の範囲と、報告を受け取る時間です。

まとめ|文章で読むより、動いているところを見るほうが早い

  • 僕のサロンでAI社員の中村さんが担当しているのは①朝の予約入力と報告②Chatworkで頼んだ分の入力③音声からのカウンセリング記録の3つ
  • きっかけは、売上管理の入力が3日以上止まっていたこと。原因はやる気ではなく、入力が極端に苦手だったこと
  • 同じ作業に1分の人と20分の人がいた。「1時間あればできる」は速い側の基準だった
  • いまスタッフに残している入力はメニュー・金額と次回予約の2つだけ。全部お願いしていたときはゼロだった
  • 効いたのはAIではなく、どこまで任せてどこを残すかの線引き

もし「言ってもやってくれない」で止まっているなら、もう一度言う前に、その作業を自分でやって時間を測ってみてください。桁が違ったら、それは人の問題ではありません。

そのうえで、任せ方の設計まで一人で組むのは大変です。

弊社はL Message(エルメ)認定代理店として250件以上のLINE公式アカウント構築に携わってきました。その僕が、自分の店舗でもこの形を運用しています。

記事に載せた画面は、実際に毎日動いているものです。止まった画面を読むより、動いているところをそのまま見ていただくほうが早いと思っています。

自分のお店で何から任せられそうか、いまの状態を聞かせていただければ一緒に見ます。

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福屋 俊裕
L Message(エルメ)認定代理店 エルメ主催のエルメ説明会や代理説明会の講師も担当 住宅メーカー不動産業界(宅建士保有)をはじめ美容や治療院、オンラインスクールなど多様な業種の100件以上のLINE構築の実績。またSNS総フォロワー2万人のアカウントを運用し、SNSを通じて集客を行いLINEでマネタイズする手法を得意としている。
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