海外銀行で資産運用をするにあたり、今注目度が高まっているのがカンボジアの銀行です。最大6.35%の高金利が期待できる、米ドル預金ができるなど多くのメリットがあります。しかし、「リスクはないの?」「開設方法がわからない」とお悩みの人も多いのではないでしょうか。
この記事では、カンボジアの銀行で日本人が口座を開設する際のメリット・デメリットや手順、おすすめの銀行口座ランキングを紹介します。口座開設で後悔しないために、ぜひ最後まで目を通してください。
カンボジアの銀行で口座を開設するメリット
カンボジアの銀行で口座を開設するメリットを紹介します。
高金利で日本よりも高い利息がつく
カンボジアで銀行口座を開設する最大のメリットが、金利の高さです。カンボジアでは多くの銀行口座が高金利であり、日本の銀行口座と比べて1,000倍以上高い金利が受け取れる場合もあります。
例として、カンボジアの大手銀行であるアクレダ銀行では、定期預金の金利が最大6.35%と言われています。現在の日本国内銀行での金利は年0.002~0.003%のため、その差は歴然です。
下記に、カンボジアと日本それぞれの銀行に1億円預けた場合の例を紹介します。
日本 | カンボジア | |
1億円預けた場合の利息 | 年間2,000~3,000円 | 年間200~500万円 |
米ドルで預金ができ為替変動リスクを受けにくい
カンボジアの銀行口座は、米ドルで預金ができます。カンボジアには法定通貨のリエルがありますが、実際カンボジア国内では米ドルが流通しているためです。
東南アジア諸国では自国の通貨で預金する場合が多いため、ドル建てで預金できるのは大きなメリットでしょう。米ドルの場合、自国の通貨よりも為替変動が起きにくいため、カンボジアの国内情勢に不安のある人にもぴったりです。
ただし、米ドルでも為替は常に変動すること、米ドルから日本円に両替する際はタイミングを見計らうことを忘れてないようにしましょう。
外国人(日本人)でも銀行口座を開設できる
多くの国では、その国に在住している人しか銀行口座を開設できません。しかし、カンボジアでは外国人でも口座を開設できます。
口座を開設する際は原則現地への渡航が必要ですが、カンボジアの大手銀行であるアクレダ銀行では郵送での手続きも可能です。ご自身が希望する方法で口座を開設しましょう。
カンボジアの銀行で口座を開設するデメリット
カンボジアでの銀行口座開設は魅力的な点が多いですが、事前に知っておくべきリスクも存在します。ここからはカンボジアの銀行で口座を開設するデメリットを紹介します。
銀行が破綻しても保証制度がない
日本の銀行が破綻した場合、ペイオフ制度により1,000万円までの資金が保証されます。一方で、カンボジアの銀行は万が一、銀行が破綻した場合に保証制度がありません。
しかし、カンボジアの経済成長率はコロナ禍で一時大きく下がったものの、そこから回復している傾向にあります。2022年のカンボジアの実質GDP成長率は5.3 %を記録し、前年の3.0 %よりも上昇する結果となりました。
カンボジアの経済成長率の推移は以下の通りです。
画像出典:世界経済のネタ帳
定期預金の途中解約ができない
日本の銀行では定期預金を途中解約し資産を引き出せます。しかし、カンボジアの銀行では途中解約できないのが一般的です。
解約できた場合も利息収入は受け取れないうえ、利息収入に対する14%の税金は差し引かれてしまいます。途中解約せずに済むような運用プランを立てましょう。
1年間入出金がないと口座が凍結される可能性がある
カンボジアの銀行は、1年間入出金がないと口座が凍結される可能性があります。1月1日に口座を開設した場合、12月31日までに入金か出金をするようにしましょう。
口座凍結の解除については銀行によってルールが異なり、メールで凍結解除の手続きができる銀行から凍結解除に5ドル程度かかる銀行までさまざまです。ちなみに、大手のアクレダ銀行ではメールでの凍結解除を承っています。
カンボジアの銀行口座開設サポートとともに、資産の保守管理に役立つアフターサポートを提供している企業もあります。口座開設後の運用に不安のある人は、このようなサポートを受けるのがおすすめです。
カンボジアで銀行口座を開設する際に必要なもの
カンボジアで銀行口座を開設する際に必要なものは以下の通りです。
- 指定の日数の有効期間があるパスポート
- 住居地や勤務先がわかる書類
- 開設手数料
- 初期入金費用
ただし、これらはあくまで一般的な項目であり、銀行によっては必要書類や手続きが異なる場合があります。口座を開設したい銀行の情報を集めておきましょう。
最新の正確な情報を入手するためには、各銀行への問い合わせが必要です。
カンボジアで銀行口座を開設する手順
カンボジアで銀行口座を開設する手順を2ステップで解説します。
1.書類や費用など必要なものを用意
まずは必要な書類や費用を用意します。銀行によって必要なものは異なるため、事前に問い合わせておきましょう。
特にパスポートの有効期限に注意してください。また、費用は少し余裕を持って用意しておくと安心です。
2.原則現地へ渡航、銀行によっては郵送で口座を開設
カンボジアの銀行には日本支店を持つ銀行がないため、口座を開設する際は原則現地への渡航が必要です。現地でのやりとりに不安のある人は、ジャパンデスクのある銀行を選ぶとよいでしょう。
カンボジアへの渡航が難しい場合、郵送での口座開設に対応しているアクレダ銀行を選ぶという選択肢もあります。
カンボジアのおすすめ銀行口座ランキング3選
外国人がカンボジアで銀行口座を開設する際は、具体的にどの銀行を選べばいいのでしょうか。ここでは、おすすめの銀行口座をランキング形式で3つ紹介します。
1位 アクレダ銀行
アクレダ銀行の特徴
- カンボジアの大手銀行で、唯一の証券市場上場銀行
- 三井住友銀行やオリックスが株式を保有している
- 金利が高く、定期預金の金利は最大6.35%
- 郵送での口座開設に対応している
- デビットカードやインターネットバンキングの利便性が高い
アクレダ銀行はカンボジアの大手銀行で、2011年に設立されたカンボジア証券取引所(CSX)に上場している唯一の銀行です。日本の三井住友銀行が18.25%、オリックスが12.25%の株式を保有している点から、安心して運用ができると考えられます。
高い金利に注目が集まっており、定期預金の金利は最大6.35%とされています。カンボジアに渡航をせずに郵送で口座を開設できる点も魅力で、現地での口座開設が難しい人にぴったりです。
デビットカードやインターネットバンキングの利便性も高く、日本にいながら高金利での運用ができます。
2位 カナディア銀行
カナディア銀行の特徴
- アクレダ銀行に並ぶ大手銀行
- 日本事業本部を設置し、日本人向けのサービスに力を入れている
- みずほ銀行、三菱UFJ銀行と提携している
- 口座開設には渡航が必要だが、ジャパンデスクがある
カナディア銀行はアクレダ銀行に並ぶ大手銀行で、日本の大手銀行であるみずほ銀行、三菱UFJ銀行と提携していることからサービス体制が整っているのも魅力です。
口座開設の際は原則現地に渡航する必要がありますが、常駐する日本人銀行員に対応してもらえます。英語に不安のある人でも口座を開設しやすいでしょう。
3位 プノンペン商業銀行
プノンペン商業銀行の特徴
- 日本語でのサポートが手厚い
- 口座開設には渡航が必要
プノンペン商業銀行は日本人スタッフが常駐していることから、日本語での手厚いサポートが受けられるのが魅力です。個人での口座開設の手続きはもちろん、ビジネス口座の開設も日本語でサポートしてもらえます。
国際送金や国内送金の手続きも日本語で対応してもらえるため、気になる部分も詳細に確認できるでしょう。口座開設に渡航は必要ではありますが、言語に不安のある人でも口座を開設しやすい体制が整えられています。
カンボジアに口座を開設する際は専門家のサポートを受けるのがおすすめ
カンボジアで銀行口座を開設すると、最大6.35%と高金利が期待できます。保証制度がないといったデメリットはあるものの、高い金利や米ドルで預金ができることを考えると、非常に魅力的な運用方法と言えるでしょう。
口座開設の際は個人で手続きを進めることも可能ですが、言葉の壁や日本の銀行との違いに戸惑うこともあるでしょう。後悔なく手続きを進めるなら、口座開設をサポートする企業への相談がおすすめです。
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