マレーシアに移住して生活していると、急な怪我や病気で病院に行かなくてはいけない場合があるでしょう。しかし、マレーシアの医療制度や医療保険について知らないと、高額な医療費を請求されてしまう可能性もあります。
この記事では、マレーシアの医療制度や病院でかかる医療費の相場について分かりやすく解説します。マレーシアに移住した日本人が加入できる医療保険や注意点も紹介するので、マレーシア移住で医療を安心して受けたい人は、いざという時に困らないためにもぜひ最後まで読んでください。
マレーシアの医療制度
マレーシアと日本では医療制度に違いがあるため、事前にマレーシアの医療について知るといざという時に安心して対応できるでしょう。
ここでは、マレーシアに移住した日本人が知っておくべきマレーシアの医療制度を解説します。
マレーシアの医療レベルは高い
マレーシアの医療レベルは高く、マレーシア周辺のシンガポールやインドネシアから医療を受けにくる人もいます。医師の技術も高く病院の施設も整っているため、マレーシア滞在中の突然の怪我や病気でも、比較的安心して医療を受けられます。
マレーシアに国の健康保険はない
マレーシアには日本のように国民が加入できる健康保険制度がないので、自分で民間の医療保険に入るか、雇用される会社の福利厚生で医療保険を利用する必要があります。
国が運営している公立病院に行くと医療費が安く、マレーシアの公務員や1歳未満の子どもは無料です。
マレーシアの病院は日本語対応可能
マレーシアの私立病院はほとんどが日本語に対応しています。公立病院やクリニックでは基本的にマレーシア語や日本語以外の対応なので、日本語を希望する場合は私立病院に行きましょう。
私立病院のなかでも、日本人医師や日本人スタッフが常駐している場合と、マレーシア人による日本語対応や通訳サービスが受けられる場合などさまざまです。日本人専用ダイヤルが設置されている病院もあるので、自宅や会社近くの病院を事前に調べておくとよいでしょう。
マレーシアの病院
マレーシアの病院は公立と民間の病院に分けられ、それぞれに特徴があります。
マレーシアの公立病院は国が運営しているため医療費は非常に安く、場合によっては無料のときもあります。しかし、待ち時間が長く日本語が通じないため、マレーシアに移住した日本人のほとんどは私立病院を選んでいます。
マレーシアの私立病院は近代的な設備が整い日本語対応可能な病院が多いので、詳しい説明を日本語で受けられます。
クリニックは専門科目で診療するまでもない軽度の怪我や病気を診察する診療所で、公立病院の次に医療費が安く抑えられますが、日本語対応している病院は少ないでしょう。
病院の種類 | 概要 | 医療費 |
公立病院 | 国が運営 | 無料 |
クリニック(私立の診療所) | 緊急性のない一般診療 | 全額自己負担 |
私立病院 | 専門科目ごとに診察 | 全額自己負担 |
マレーシアは高額医療?医療費の相場を解説
マレーシアには日本のような全国民が加入できる医療保険制度がないため、民間の医療保険に加入していない場合の医療費は全額自己負担です。
ここでは、医療保険未加入で私立病院にかかった場合の医療費の相場を、入院や手術などのケースごとに解説します。
通院をした場合
マレーシアの私立病院に通院し診察を受けると、3割負担だった日本と比べて医療費は高くなります。マレーシアでは診察と薬の調剤・処方が同じ病院内で行われます。民間の医療保険に加入していれば保険会社が医療費を支払うため、利用者の窓口負担はありません。
また、マレーシアでは歯の診療は保険でカバーされない場合が多いので、高額医療費を請求されないよう、移住前に歯のメンテナンスを済ませておきましょう。
私立病院に通院した場合の医療費例
- 風邪で受診(診察・薬):150RM(約4,500円)〜
- 歯石除去:200RM(6,000円)〜
- 歯の詰め物が取れた:700RM(21,000円)〜
(1RM/30円換算)
手術をした場合
マレーシアの私立病院で入院・手術をすると高額な医療費を請求されます。また、マレーシアの私立病院は診察前の手続きの際にデポジット(預かり金)を払わなければ入院・手術はしてもらえません。
日本と比べると厳しいように感じますが、支払い能力のない人は上質な医療は受けられないという感覚は海外では割と一般的なので、いざという時のためにクレジットカードを用意しておくと安心です。
私立病院で手術した場合の医療費例
- デポジット(預かり金):3,000RM(約9万円)〜
- 手術費用
- 虫垂炎/6,000RM(約18万円)〜
- 脳卒中・心筋梗塞/20,000RM(約60万円)〜
- 部屋代
- 4人部屋/100RM(約3,000円)〜
- 個室/300RM(約9,000円)〜
(1RM/30円換算)
救急車を呼んだ場合
マレーシアで救急車を呼んだ場合、日本の119番である救急ダイヤル「999番」で救急車を要請すれば基本的に無料です。ただし、搬送先は公立病院のみとなりマレーシア語しか通じません。
民間の救急車専門会社から救急車を呼ぶと有料で、遠隔地だと追加料金が必要です。しかし、電話が繋がらないときもあり、指定しなければ公立病院に搬送されます。私立病院を希望している場合は、自分でタクシーを呼んで病院を指定したほうが早い場合もあるでしょう。
マレーシアの救急車費用例
- 999番(公立病院への搬送):無料
- 民間の救急車専門会社:250RM(約7,500円)〜遠隔地の場合は追加料金あり
(1RM/30円換算)
マレーシアで日本人が加入できる医療保険は?
日本は健康保険制度が充実していますが、マレーシアでは全国民が加入できる医療保険制度はないので、個人または会社の保険に加入する必要があります。
ここでは、マレーシアで日本人が加入できる医療保険について解説します。
国の医療保険
マレーシアには労働者のみ対象の医療保険制度「SOSCO」があり、マレーシア人やマレーシアに永住権を持つ外国人雇用者が対象でしたが、2019年に駐在員を含む外国人労働者も強制加入となりました。
外国人労働者が対象の「SOSCO」は日本の労災と同様の制度で、通勤中や業務中の怪我や病気について保証されます。条件を満たせば障害補償や葬儀給付、養育費など家族に対する保証もされ、外国人労働者の保険料は全額雇用主の負担です。
民間の医療保険
マレーシアの民間の医療保険は種類によって保証内容や金額が大きく変わります。日本の医療保険と同様に、怪我に対する保証なのか、入院や手術に対する保証なのかを自分で選んで加入しましょう。
また、雇用される会社の保険では金額や医療機関によっては全額保証されない場合もあります。雇用契約の際に加入する医療保険について事前に確認しましょう。
マレーシアの医療の注意点
マレーシアの医療は日本と違う部分も多いので、移住していざという時に困らないためにも、マレーシアの医療の注意点を把握しておきましょう。
マレーシアの医療の注意点
- 公立病院は待ち時間が長い
- 外国人は医療費が高くなる場合がある
- 日本語が通じない病院がある
- 住民票があれば日本の健康保険も使える
- 医療保険に加入義務のあるビザがある
公立病院は待ち時間が長い
マレーシアの公立病院は医療費が安く、マレーシア国民のほとんどが公立病院を利用しているため待ち時間が長く、診察を終えるまでに一日かかってしまうこともあります。
また、公立病院とクリニックは日本語が通じないので、移住した日本人のほとんどは待ち時間が少なく日本語の対応可能な私立病院を利用しています。
外国人は医療費が高くなる場合がある
マレーシアの病院は、マレーシア人に対して医療費の援助を行なっているため、外国人は医療費が高く請求される場合があります。しかし、私立病院では国籍関係なく医療費に対しての負担は同額です。
日本語が通じない病院がある
マレーシアの公立病院は日本語が通じません。また、クリニックもほとんどの場合は日本語は通じないので、日本語で診察を受けたい場合は私立病院に行きましょう。
私立病院によっては、日本語の通じる電場番号が別に用意されている場合や、薬の説明を日本語で書いた書類を出してくれる場合もあります。いざという時のために、日本人対応の充実した病院を事前に調べておくと安心でしょう。
病院の種類 | 対応可能言語 |
公立病院 | マレーシア語のみ |
クリニック(診療所) | マレーシア語、英語、中国語 |
私立病院 | マレーシア語、英語、中国語、日本語 |
住民票があれば日本の健康保険も使える
マレーシアに移住しても日本に住民票が残っている場合は、マレーシアの医療機関でかかった費用を日本で一部負担してくれる場合があります。居住している自治体によって制度や適用範囲が違うので、住んでいる自治体の窓口で「海外療養費」について問い合わせてみましょう。
医療保険に加入義務のあるビザがある
長期滞在ビザであるMM2Hビザは、医療保険に加入することが取得条件のひとつです。加入する保険について指定はなく、民間の医療保険や生命保険から自分で選び加入します。
MM2Hビザの有効期限は5年と比較的長いので、加入する保険の保障内容や期間を考慮して医療保険を選びましょう。

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マレーシアの医療レベルは世界的に見ても高く、私立病院は日本語対応可能で設備が整っているので日本人も安心して医療を受けられます。しかし、マレーシアには日本のような健康保険制度がなく公立病院以外では高額な医療費がかかってしまうため、民間の医療保険へ加入しておくと安心です。
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