アジアのなかでも英語のレベルが高く、多民族国家ならではの多様性で教育移住先として人気のマレーシア。一年中温暖な気候で生活費もかからないため親子留学や母子移住をする人も増えています。しかし、マレーシアの教育制度やビザの取得などわからないことが多く、教育移住に踏み出せない人もいるでしょう。
この記事では、マレーシアの教育移住が人気の理由や日本とは違うマレーシアの教育制度をわかりやすく解説します。教育移住に必要な費用やチェックしておきたいポイントも紹介するので、マレーシアの教育移住に後悔しないためにもぜひ最後まで読んでください。
マレーシアの教育移住が人気の理由
マレーシアはアジアのなかでも英語力が高く、英国式をはじめさまざまな世界の教育カリキュラムを採用している教育移住先として人気の国です。
ここでは、マレーシアの教育がなぜ選ばれているのか、教育移住の人気の理由を解説します。
英語力が高い
マレーシアは東南アジアの国のなかでも3番目に英語力が高い国です。EFエデュケーションファーストが調査した世界111カ国の英語力ランキングでは、111位中24位にランクインし、ヨーロッパ各国と肩を並べる実力を持っています。
ちなみに日本は80位なので、英語への意識はマレーシアが格段に上回っているといえるでしょう。
出典:EFエデュケーションファースト「EnglishProficiencyIndex」
インフラが整っている
マレーシアは国をあげてインフラを整備し、特に首都クアラルンプールは世界的な都市を目指して鉄道網や都市の開発が進められています。
生活インフラにおいても電気やガス・水道は政府や民間企業が保守・管理を行なって安定した供給を保っているため、日本からマレーシアに移住しても快適な生活環境で過ごせるでしょう。
治安が良い
マレーシアは多民族国家で多様な文化が入り混じる国としては治安が良く、海外で心配されるような銃犯罪や殺人は多くありません。クアラルンプール周辺はビジネスマンや観光客などの人口が多く、常に人の目があるので安心して子供と出歩けます。
しかし、最も治安が良い国とされる日本と比べると、スリやひったくりなどの軽犯罪にあう可能性は低くはありません。夜道は1人で歩かない、貴重品はポケットに入れないなどの予防策をとり、日常的な防犯意識が大切です。
学費が安い
マレーシアの教育移住では、他の国と比べて安い学費で質の高い教育を受けられます。年齢や教育内容によって大幅に変わりますが、世界的に有名な英国のケンブリッジ式やIB(国際バカロレア)などのカリキュラムが、安い学校だと年間50万円ほどで受けられる安さは魅力です。
- マレーシアのインターナショナルスクール学費平均:110万円/年
- 東京のインターナショナルスクール学費平均:250万円/年
日本人差別がない
マレーシアは「ルックイースト制度」という日本の技術を見習って自国の経済活性を目指す取り組みを行なうなど、日本に対して好意的な国です。ローカルの人たちも親日感情を持ち親切に接してくれるので日本人差別を感じず、子連れには嬉しい環境で生活できます。
マレーシアの教育制度の特徴
マレーシアでは世界の教育制度を取り入れているため、英語力の向上だけでなく充実した教育カリキュラムが人気です。
ここでは、マレーシアの教育制度の特徴を解説します。
マレーシアの教育制度の特徴
- レベルの高い教育カリキュラムがある
- 学校の年数が日本と違う
- ホームスクールが普及している
- 転校に理解がある
レベルの高い教育カリキュラムがある
マレーシアの学校は世界の様々なカリキュラムを採用しています。なかでも英国のケンブリッジ式カリキュラムは人気で、イギリスのキャサリン妃の母校「マルボロ」の分校がマレーシアのジョホールバルにあることでも有名です。
また、IB(国際バカロレア)は世界共通のカリキュラムで、IBカリキュラムを通して「IBディプロマ」を取得すれば世界のあらゆる有名大学に受験可能です。マレーシアの世界レベルの教育は、教育移住後の子どもの進路にも大きく貢献するでしょう。
マレーシアのインターナショナルスクールで採用されているカリキュラムは下記の通りです。
カリキュラムの種類 | 概要 |
英国式(ケンブリッジ式) | マレーシアで最も多く採用されている |
IB(国際バカロレア) | IBディプロマ資格が取得できる |
オーストラリア式 | 「ATARスコア(豪州統合スコア)」取得で世界の大学へ出願できる |
アメリカ式 | IBディプロマコースを提供する学校もある |
カナダ式 | オンタリオ州セカンダリースクールディプロマ(OSSD)卒業資格が取得できる |
他にも日本式やフランス式、ドイツ式などさまざまなカリキュラムが採用され、学年構成もさまざまです。
学校の年数が日本と違う
様々なカリキュラムが取り入れられているため、学校に通う年数にも違いがあります。選ぶカリキュラムや子どもの年齢によっては、移住前の日本の学年とは違うクラスに入る場合も珍しくありません。
英国式カリキュラムでは、日本の小学校にあたるプライマリースクールは5歳から始まるため、幼稚園に通っていた子どもが小学校に入学する場合もあります。
カリキュラム別学年構成は下記の通りです。
カリキュラムの種類 | 学年構成 |
英国式(ケンブリッジ式) | 13年教育(小6年/中5年/大学準備2年) |
IB(国際バカロレア) | 13年教育(小6年/中5年/ディプロマ資格2年) |
オーストラリア式 | 12年教育(小6年/中3年/高3年) |
アメリカ式 | 12年教育(小5年/中3年/高4年) |
カナダ式 | 12年教育(小6年/中2年/高4年) |
ホームスクールが普及している
マレーシアのホームスクールは自宅や私塾などさまざまな場所で行なわれ、モンテッソーリ式や英国式などカリキュラムも豊富です。マレーシアではホームスクールでの学習が「不登校」として捉えられず、教育方針として自宅や私塾の学習プログラムを組む保護者も多くいます。
自宅学習でも英国式の修了試験を受けられるため、費用や子どもの適性などに合わせて柔軟に教育制度が選択できます。
転校に理解がある
マレーシアの学校では転校が一般的です。親の転勤などのために転校するのではなく、学校の教育制度や環境が子供に合っていない、もしくはさらに良い教育制度の学校に行くために転校します。
学校側も入学説明の際に退学時のデポジット(預かり金)の扱いについて触れるなど、マレーシア人にとって転校はポジティブな選択です。
マレーシアで日本人が通える学校
マレーシアにある学校のほとんどは日本人も入学可能です。しかし、政府が行なう政策によって入学できる人数が制限されていたり、主に使われる言語によって入学自体が難しい学校もあります。
ここでは、マレーシアで日本人が通える学校について解説します。
公立校
マレーシアの公立校の学費は政府の援助により中学校まで無料です。マレーシア系、中国系、インド系の公立校があり、すべての公立校でマレーシア語は必須科目となっています。
中学校はマレーシア政府による「ブミプトラ政策」でマレーシア人の入学が優先され、定員に空きがある場合のみ外国人の入学が許可されます。マレーシアの公立小学校を卒業しても、日本人の公立中学校への入学は実質不可能です。
私立校
マレーシアの私立校にはローカルの私立校やインターナショナルスクール、宗教学校などさまざまな学校があります。公立校と比べるとカリキュラムや特徴が充実し、使用言語も英語を中心にタミル語や日本語など多様です。
マレーシアの日本人が通える私立校は大きく分けて以下の2つです。
インターナショナルスクール
マレーシアのインターナショナルスクールではレベルの高い英語教育が行なわれています。英国式やアメリカ式、IB(国際バカロレア)などの多様なカリキュラムの中から家庭の教育方針に合わせて選択可能です。
クアラルンプールだけでなくペナンやジョホールバルなどのマレーシア主要4都市に多く、教育制度や学年構成なども選ぶ学校によって大きく変わります。
日本人学校
マレーシアの日本人学校では、日本国籍を持つ子どもに対して日本と同様の教育内容で授業を行なっています。主に英語で授業が行われる学校や他のインターナショナルスクールと交流を持つ学校など特色もさまざまです。
マレーシアの日本人学校はクアラルンプール、ペナン、ジョホールバル、コタキナバルの4カ所にあり、コタキナバルの日本人学校では、親子留学のためのビザ発行をしています。
マレーシアの教育移住で必要な費用
マレーシアの教育移住には学費だけでなく移住の初期費用や生活費などさまざまな費用がかかります。
ここでは、マレーシアの教育移住で必要な費用についてかかる項目ごとに解説します。
マレーシアの教育移住で必要な費用
- 学費
- 生活費
- 移住費用
学費
マレーシアの教育移住でかかる学費は選ぶ学校によって大きく変わります。語学留学の場合、子どもとは別に保護者も英語を学ぶパターンの母子留学も増えているため、2人分の学費が必要です。
また、子どもだけマレーシアのインターナショナルスクールに通う場合でも、学校のカリキュラムや就学年数によってかなり違いがあります。費用を無駄にしないためには、マレーシアにある多くの学校のなかから、目指す習熟度や滞在可能期間と学費を考慮して慎重に選びましょう。
マレーシアの語学留学費用(親子2人の場合)
- 1ヶ月の短期留学:1ヶ月30万円ほど
- 1年間の長期留学:授業料年間60〜300万円
マレーシアのインターナショナルスクール費用
- 入学金:10~70万円
- 年間授業料:A校40万円/B校80万/C校300万円
上記の授業料や年間の学費は一例です。学費は選ぶ学校によって大幅に変わるため、トータルでかかる費用をよく確認しましょう。
生活費
マレーシアは物価が安く、日本の約2/3の生活費で快適に暮らせます。母子移住の場合は世帯の人数が少ないので、食費や水道光熱費など生活全般にかかる費用が安く抑えられるでしょう。
日系のスーパーでは日本製品が2〜3割高く売られていますが、すべて日本製品にこだわるなどしなければ現地の食品や日用品が安いため出費は少なく済みます。また、交通費は通学にスクールバスを使用するためほとんどかからない場合もあります。
マレーシア移住でかかる1ヶ月の生活費例(親子2人の場合)
- 食費(外食費含む):40,000円
- 水道光熱費:10,000円
- 通信費:5,000円
- 日用品費:10,000円
合計65,000円
居住するエリアや部屋数によっても変動がありますが、マレーシアは温暖な気候で一年中Tシャツと短パンのような軽装で過ごせるので、衣類にかかる費用は日本より少なくなるでしょう。
移住費用
マレーシアに教育移住するためには、日本からの渡航費用や賃貸契約費用などの移住費用が必要です。
渡航費用はLCC(格安航空)を選べば安く済みます。ビザの取得費用は選ぶ学校や留学期間によって金額はさまざまですが入学する学校のプランや学費に含まれる場合が多いでしょう。
マレーシアへの教育移住でかかる移住費用は下記の通りです。
費用の種類 | 金額 |
渡航費用 | 3〜5万円(利用する航空会社による) |
ビザ取得費用 | 3〜8万円(学校や留学期間による) |
賃貸契約費用 | 家賃の4ヶ月分 |
賃貸契約は物件のオーナーとの契約書のやり取りや事前に銀行口座の開設など複雑な手続きが必要です。
現地の商習慣や物件の気になる点について、日本語で気軽に相談できる不動産業者を選ぶと安心です。
マレーシアの教育移住で後悔しないためのチェックポイント
マレーシアの教育移住はビザの取得や外国での生活環境と子どもの相性など気になる点が多いため、移住してから後悔しないように事前に把握しておくことが大切です。
ここでは、マレーシアの教育移住で後悔しないためのチェックポイントを紹介します。
- ビザの発給ライセンスがある学校か
- 家族分のビザが取れるか
- 信頼できるエージェントか
- マレーシアの生活に適応できるか
- 帰国のタイミングはいつか
- 通学可能エリアに住めるか
ビザの発給ライセンスがある学校か
マレーシアの学校に90日以上留学するためにはビザが必要です。生徒のビザは学校側が申請するのが原則ですが、一部の学校ではビザを発給するためのライセンスを持たずに生徒を募集しています。
より多くの生徒を入学させるために偽りの情報で生徒を集めた結果、途中で帰国を余儀なくされる被害も報告されているのが現状です。マレーシアの学校を選ぶ際にはビザの発給ライセンスを必ず確認しましょう。
ビザの発給ライセンスがない学校が生徒を募集していたら違法なので要注意
家族分のビザが取れるか
マレーシアの教育移住で学校に留学する際に必要なビザは学生ビザです。学生ビザには保護者ビザ(ガーディアンビザ)1名分が取得可能です。子どもが複数人いても保護者ビザは1名分のみとなるため、もう1人の保護者は他のビザを取得する必要があります。
学生ビザと保護者ビザ(ガーディアンビザ)の概要は以下です。
有効期間 | 1年(就学期間に合わせて延長可能) |
就労 | 学生:週20時間以内は可能
保護者:不可 |
ビザの取得人数 | 子どもが何名でも保護者ビザは1名分 |
ビザの申請 | 学校 |
信頼できるエージェントか
マレーシアの教育移住は人気が高まっているため、高い利益を狙って悪質なエージェントも増えてきているのが現状です。留学の手続きを代行するエージェントや学校を斡旋するエージェントは、多くの実績があるなど客観的にみて信頼できるエージェントを選びましょう。
マレーシアの生活に適応できるか
マレーシアは生活費が安くインフラも整備されているため、生活に不便はありません。しかし、虫が多かったり週末の道路渋滞がひどかったりと日本との違いにストレスを感じてしまう人も多いでしょう。
現地の生活環境をよく知る人からの情報は役立つので、移住前の情報収集はマレーシアに拠点がある会社やマレーシアの住人が発信するブログなどから得るようにしましょう。
帰国のタイミングはいつか
マレーシアで教育移住をしてから日本に帰国する時期によって、子どもが進学する学校が限定される場合があります。海外から日本に帰国した子どもが受験する「帰国子女枠」を受ける場合は、受験枠が一部の学校にしかないのが現状です。
また、教育移住したもののあまり子どもの英語力や学力が伸びず、他国の学校に進学せず帰国する場合は、日本の受験に備えて早めに帰国する場合も想定されます。移住後に子どもの進路に迷わないように、教育移住前に帰国するタイミングを考えておきましょう。
通学可能エリアに住めるか
マレーシアの学校はクアラルンプールを含む主要の都市にありますが、希望する学校のエリアに良い物件がなければ通学が難しくなります。多くの学校はスクールバスで生徒の送迎を行い、停車所があらかじめ決まっています。
住む場所がスクールバスの停留所から遠い場合は家族が送迎しなければならず、車を所有していないと不便です。物件を探すときには通学可能エリア周辺に住めるよう、不動産仲介業者とよく相談しましょう。
マレーシアの教育移住におすすめのエリア
マレーシアの教育移住ができる学校はマレーシア国内のさまざまなエリアにあり、学校がある場所によって通学や生活のしやすさが変わります。
ここでは、マレーシアの教育移住におすすめのエリアを紹介します。
[box02 title=”マレーシアの教育移住におすすめのエリア”]
[jin_icon_checkcircle color=”#4792ed” size=”18px”]利便性の高いクアラルンプール
マレーシアに住む日本人のほとんどが住む首都で、利便性が高く生活環境が良い。インターナショナルスクールの数が圧倒的に多く、学費は高い傾向にある。
[jin_icon_checkcircle color=”#4792ed” size=”18px”]世界遺産があるペナン島
世界遺産の街ジョージタウンを中心に日本人が多く住む海沿いのリゾート島。クアラルンプールに比べて学費が安い。
[jin_icon_checkcircle color=”#4792ed” size=”18px”]自然豊かなジョホールバル
シンガポールに隣接する海沿いの自然あふれるエリアなので英語レベルが高く、英国式名門校マルボロカレッジの分校がある。
[jin_icon_checkcircle color=”#4792ed” size=”18px”]学費が安いコタキナバル
ボルネオ島の海沿いにあり学校の数は少ないがマレーシアで最も学費が安い。日本との時差は1時間で日本へは5時間半で直行便もある。
[/box02]
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マレーシアは高い英語力や世界的に有名な教育カリキュラムの導入など、充実した教育制度で親子留学や母子移住をしたい人から注目されています。治安の良さや物価の安さだけでなく、安い家賃で安心して教育移住ができるので、マレーシアの教育移住人気は今後さらに高まるでしょう。
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