マレーシア移住にかかる費用を解説|初期費用から家賃相場・生活費も

物価が安く温暖な気候で移住先として人気の高いマレーシアですが、移住費用がどのくらいかかるのか分からず困っている人もいるのではないでしょうか。

この記事では、マレーシアへの移住でかかる費用を項目ごとに詳しく解説します。初期費用や生活費だけでなく税金や教育費についても説明しているので、記事を最後まで読めば、マレーシアへの移住にかかる費用を詳しく知れます。

マレーシア移住でかかる初期費用

マレーシアに移住するときの初期費用は大きくわけて下記の3つです。

  • 渡航費用
  • ビザ取得費用
  • 賃貸契約費用

渡航費用

マレーシアへの渡航費用

  • LCC(格安航空):3万円〜
  • 大手航空会社:5万円〜

マレーシアに行くための渡航費用は、利用する航空会社によって大きく変わります。

LCC以外の主要航空会社は大体5万円〜、LCCであれば大体3万円ほどで行けます。マレーシアへの7時間のフライトで充実したサービスが必要なければ、LCCを利用すると費用を安く抑えられるでしょう。

ビザ取得費用

マレーシアのビザは90日以上滞在する場合にはかならず必要です。

現地で就労するための就労ビザは6種類あり、現地企業に雇用される場合は雇用する会社がビザを用意します。

長期滞在ビザである「MM2H」は近年条件が変わり取得条件が厳しくなったため、マレーシアでセカンドライフを楽しもうとするならば注意が必要です。また、ビザの申請を代行業者に依頼すると、下記のビザ申請費用に加えて15〜30万円必要になります。

下記はマレーシアのビザの種類別取得費用です。就労ビザの有効期間は種類によって異なります。

ビザの種類 有効期間 取得費用
学生ビザ+保護者ビザ 1年 学費に含まれる
MM2Hビザ 5年 15万円〜
就労ビザ 1〜5年 基本的に雇用主負担
デジタルノマドビザ 1年 3万円〜
PVIPビザ(富裕層向け) 20年 630万円〜

※上記の費用はビザ取得に付随する諸手続きの費用は入っていません。ビザの種類によって手続きや取得条件も違うので、事前によく確認しましょう。

賃貸契約費用

マレーシアの賃貸物件を借りるには、賃貸契約費用として大体家賃の4ヶ月分が必要です。現金か銀行振込になるため、あらかじめ現地の銀行で口座を開設しておきましょう。

マレーシアの不動産事情は日本と違う点が多いので、賃貸契約で困らないためには現地に拠点があり、日本語でていねいに説明してくれる不動産業者を選ぶのがポイントです。

マレーシア賃貸物件の初期費用

  • 保証金(デポジット):1〜2ヶ月分
  • 光熱費保証金(デポジット):0.5ヶ月分
  • 初月家賃:1ヶ月分
  • 印紙・事務手数料:0.25ヶ月分
  • 仲介手数料(エージェントによる)

上記の合計:家賃の4ヶ月分

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マレーシア移住の家賃相場

マレーシアに移住する日本人のほとんどは、設備や利便性のよいクアラルンプール周辺のコンドミニアムにすんでいます。

ここでは、クアラルンプールエリアのコンドミニアムに家族で移住する場合と、単身で移住する場合の家賃相場について解説します。

家族で移住する場合の家賃相場

家族でクアラルンプール周辺に移住する場合の家賃相場は下記です。

コンドミニアムには家具家電がはじめから備わっているため、引越し費用も大幅にカットできます。

また、24時間セキュリティや子どもが遊べるプレイエリアが併設されているため、敷地内で安心して生活できるのも人気の理由です。

クアラルンプール周辺のコンドミニアム家賃相場

  • 家族向け2~3LDK:2,500~4,500RM(7.5万~13.5万円)

(1RM:30円換算)

単身で移住する場合の家賃相場

単身でクアラルンプール周辺に移住する場合の家賃相場は下記です。

現地の企業に雇用されるケースでは、会社近くのコンドミニアムを同僚とシェアしてすむ人もいます。ルームシェアをすると家賃がかなり抑えられ、毎月の固定費が安くなるため貯金も可能です。

クアラルンプール周辺のコンドミニアム家賃相場

  • 単身者向け1DK:1,300~2,500RM(3.9万~7.5万円)

(1RM:30円換算)

マレーシア移住でかかる生活費

マレーシアは物価が安いので、1ヶ月の生活費を安く抑えられます。日本での生活費に比べて半分〜2/3程度にできるので、海外生活で不安があっても資金面で安心していられるのは嬉しいですね。

ここでは、マレーシアでかかる1ヶ月分の生活費を項目ごとにわかりやすく解説します。

マレーシア移住でかかる生活費

  • 食費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 交通費
  • 日用品費

食費

マレーシアは屋台文化が根づいているため外食費は高くなく、ローカルレストランであれば500円で満腹になれます。食費は生活状況によって大きく変わりますが、日本食や日本の食材ばかりをえらばなければ、日本に住んでいるときと比べて2〜3割安く抑えられるでしょう。

マレーシアには日系の安いスーパーもあるので、現地の食事が口にあわなくても自炊でこのみの味を楽しめます。ちなみに、マレーシアはイスラム教国家のためアルコールに高い税金がかけられているので、お酒を買うと食費があがるでしょう。

1ヶ月の食費例(単身者)

  • スーパーで買い出し:5,000円×月4回=20,000円
  • ローカルレストランで外食:500円×月4回=2,000円
  • 日本食レストランで外食:3,000円×月1回=3,000円
  • 同僚とのランチやアルコール購入費など:15,000円(大幅に変動あり)

食費例の合計金額:40,000円

家族が多いとさらにかかりますが、自炊を多くしたり現地の食材を買ったりして工夫すれば日本よりも安く抑えられるでしょう。

水道光熱費

マレーシアの水道代・ガス代は日本と比べてかなり安く、家族のいる世帯でも一ヶ月1,700円ほどです。しかし電気代は使用状況によってかなり変動します。すんでいる物件がオール電化だったり、部屋数がありエアコンの台数が多かったりすると日本と変わらない金額をはらう場合もあるでしょう。

高層階のコンドミニアムによっては、夜間は涼しくエアコンのいらない物件もあります。電気代をカットできる場合があるので、物件選びの際には一日を通した気温をチェックしておくとよいでしょう。

下記は単身者と家族がいる場合の1ヶ月の水道光熱費です。

単身の場合 家族がいる場合
水道代(上下水道の合算) 1,000円 1,000円
ガス代(都市ガスまたはプロパンガス) 300円〜 700円〜
電気代(生活状況による) 3,000円〜 7,000〜15,000円

マレーシアの水道水は飲料水には向かないので、ウォーターサーバー代や水の購入費用が別途必要です。

通信費

マレーシアの携帯電話は払った料金分が利用できる「プリペイド式」と、通信会社と契約する「ポストペイド式」からえらびます。ポストペイド式は契約や解約など手続きに手間と時間がかかるため、プリペイド式で携帯電話を利用する方法が便利です。

Wi-Fiは物件にあらかじめ備わっている場合もありますが、リモートワークやデジタルノマドなど、通信環境を安定させたい場合は個別に契約するのが確実です。

1ヶ月の通信費

  • プリペイド式携帯:1,000円〜
  • wi-fi:4,000円〜(100Mbps)

交通費

マレーシアは車社会ですが、クアラルンプールエリアにすんでいる場合、車は必須ではありません。電車やバスなど公共交通機関もありますが本数が少なかったり、目的地周辺に駅がなかったりしてあまり便利とはいえません。

配車サービス「Grab(グラブ)」を使うと15分程度の移動であれば500円以下で利用でき、時間帯によってはさらに安くなります。また、職場近くの物件にすめば交通費の負担は少なくすむでしょう。

日用品費

日用品は現地のスーパーで安く購入できるので、品物にこだわらなければあまり費用はかかりません。スーパーで日本製品を買うと日本の価格より2~3割割高ですが、そのほかの生活必需品が安いので、家族が多くても安心して買い物できます。

クアラルンプール周辺にはイオンやドンキホーテなど、日本製品の品揃えが豊富で安価なプライベートブランドの商品を置くお店があります。日本製品にこだわりたいときには日系の安いスーパーを選ぶなど、工夫次第で生活費を安くできるでしょう。

1ヶ月の日用品費

  • 単身の場合:5,000円〜
  • 家族がいる場合:10,000円〜

マレーシア移住の税金・医療費

マレーシアに移住するときは、現地の税金や医療保険についてあらかじめ理解しておく必要があります。いざという時に困らないためにも、下記の解説を読んで税金や保険制度を把握しておきましょう。

移住すると節税になる

マレーシアには住民税や消費税がないため、日本で暮らすより節税が可能です。

はじめの半年間は非居住者扱いで収入の30%が所得税になりますが、182日以上滞在していると累進課税で5〜10%で計算されます。非居住者のときに納めすぎた税金は、翌年の確定申告で還付されます。

ちなみに、マレーシアで得た収入に対しては所得税を支払う必要がありますが、ノマドワーカーやリモートワークなど、日本で得た収入は税制・納税先ともに日本です。

移住後、半年間は所得税が収入の30%で計算されますが、182日以上滞在すると収入額によって5〜10%になります。納めすぎた所得税は確定申告をすれば戻ってきます。

医療保険に加入する

マレーシアには日本のような健康保険制度はありません。保険制度を利用しない場合は全額自己負担となってしまうので、現地雇用の場合は会社が加入している団体保険に加入するか、民間の保険制度に加入しましょう。

マレーシアは日本ほど薬の規制がきびしくないため、処方箋がなくても薬局で買える薬で対処できる場合もあります。

マレーシア移住の教育費

マレーシアは多民族国家で国際色ゆたかな国です。アジア諸国で2番目に英語力が高い国といわれているため、親子で教育移住をする人も増えています。

ここでは、マレーシアに移住する子どもが通う学校の費用について解説します。

親子で語学留学の場合

マレーシアは学費が安く治安もよいため、親子で語学留学ができる国としても人気です。

3日間の短期から1年以上の長期留学や、親子が同じ学校の違うクラスで英語を学ぶなどさまざまなコースが用意され、通う学校によって学費もかなり幅があります。

下記は一般的な例として親子2人の語学留学でかかる費用です。

マレーシアの語学留学(親子2人の場合)

  • 1ヶ月の短期留学:1ヶ月30万円ほど
  • 1年間の長期留学:授業料年間60〜300万円(学校によってさまざま)

留学手続きを代行している会社も多く、渡航費用や宿泊費用がすべて込みのパッケージプランもあります。費用はかかりますが、個人でひとつずつ行うより楽に手続きをすませられるでしょう。

子どもを現地の学校に入れる場合

親の転職やリモートワークなどにより家族でマレーシアに移住する場合、子どもが行く学校はインターナショナルスクールです。

公立の小学校はマレーシア国民が優先され、残りの枠があれば入学できます。しかし、中学の公立校には入学できないため、公立校への入学は現実的ではありません。

マレーシアにはおよそ180ものインターナショナルスクールがあり、質の高い英語で授業が行われています。学校によって学費もカリキュラムも多様で、学費以外にもスクールバスやサマースクールの費用など、年間を通してさまざまな支出を想定する必要があります。

下記はマレーシアのインターナショナルスクールでかかる1年間の学費です。

マレーシアのインターナショナルスクール費用

  • 入学金:10~70万円
  • 年間授業料:A校40万円/B校80万/C校300万円

上記はあくまでも一例です。学校によってかかる費用は大幅に変動するため、教育プランや経済状況にあわせて選択しましょう。

現地の情報を知る不動産業者への相談がおすすめ

マレーシアに移住するための費用は、生活費だけでなく賃貸契約の初期費用やビザ取得費用などさまざまです。家族移住の場合は渡航費用や学費などまとまった資金が必要ですが、物価や家賃が安いため、月々の固定費は日本より抑えられるでしょう。

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